ごあいさつ

薬剤部長あいさつMATSUO

 広島大学医学部附属病院の設置とともに1956年4月に薬剤部が開設され,2003年に医学部および歯学部附属病院薬剤部が統合され広島大学病院薬剤部となりました。この間,小松原敏夫先生,福地担先生,木平健治先生が薬剤部長を務められ,薬剤部を発展させて来られました。

 近年,質の高い医療を効率的に提供するために,調剤,製剤,感染制御(ICT),栄養管理(NST),病棟薬剤業務,周術期薬剤管理,外来患者の薬物治療指導管理,在宅医療への参画など,薬剤師の果たすべき役割は年々増大しています。病院薬剤師は,患者さんや医療チームから求められる薬が関わる全ての業務を高い専門性と責任を持って主体的に実施しなければなりません。広島大学病院薬剤部は,広島大学病院の理念「全人的医療の実践・優れた医療人の育成・新しい医療の探求」に基づき,最良の医療を提供するために,薬剤の専門家として安全かつ適正な薬物療法の実施に努めています。

 薬剤部は,薬剤管理指導室,調剤・製剤室,薬品管理室,薬務室,薬効解析室,事務室からなり,各部署において患者さんにとって安全で最も有効な薬物治療の実施を目標に業務を行っています。現在,すべての病棟,救急救命センター,集中治療室(ICU),手術室へ専任の薬剤師を配置し,入院患者さんの薬物治療を管理しています。また,治験や自主臨床試験の実施を支援する総合医療研究推進センターの運営に協力しています。医療技術の進展は著しく,また細分化されてきていることから,がん薬物療法,緩和ケア,感染制御,HIV感染症,中毒・救急領域,妊婦授乳婦,NST,糖尿病,臨床研究など様々な分野の指導・専門・認定薬剤師の養成を行っています。

 「臨床業務」に加えて「教育」と「研究」も大学病院薬剤部の重要な責務です。わたしたちは,変化し続ける医療環境と患者ニーズに柔軟に対応し未来を切り開くことのできる薬剤師,医療スタッフの育成のための教育,ならびに,医療の発展,患者の安全のための薬学研究も推進しています。医療人材教育や臨床研究を通して地域の大学および医療機関と積極的に連携し,地域全体の発展に貢献できるように努力して参りますので,皆様方のご支援をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

薬剤部長 松尾裕彰