新人スタッフインタビュー(2019)

2018年←                                  →2020年

広島大学病院薬剤部(以下,当部)では,2018年度に7名の新人を迎えました。就職して1年が経過した彼らにインタビューしてみました。

当部を選択した理由

先輩薬剤師(以下先輩):広島大学病院(以下,当院)は,病床数746床で,当部には薬剤師約70名が所属しています。様々な専門薬剤師や認定薬剤師が在籍しています。皆さんが当部を就職先に選んだ理由を教えてください。

大本:病床数が多いため,幅広い疾患を経験でき,自らのスキルアップにつながると思いました。薬剤師数が多く,サポートしあえる環境も魅力に感じました。

小林:これからの薬剤師は,業務と研究を両立させていく能力が必要であると考えたからです。実務実習でお世話になり,その時雰囲気が良いと感じたことも決め手の1つでした。

滝沢:研究する力と薬剤師としての能力の両面を磨いていくうえで,薬剤師の人数が多く,目標となる先生方が多かったからです。

田中:病棟業務に力を入れ,手術室や救急集中病棟にも薬剤師を配置しており,ジェネラリストからスペシャリストを目指せる環境があると考えたからです。

先輩:そうですね。当部は,平成14年(2002年)に全病棟へ専従の薬剤師を配置し,全入院患者に薬剤師が介入しており,様々な分野で薬剤師が活躍しています。
ところで,里さんは今まで大学で有機化学の教員職に就かれていましたが,今回臨床の現場に転職された理由は何ですか?

里:自分がこれまで経験してきた事を臨床現場で活かすことができれば,創薬から臨床へと研究の幅も広げることができると考えたからです。また,広島大学病院は広島県唯一の大学病院であるため,地域医療における重要度も高いと感じたことも理由の一つです。

先輩:なるほど。当部は,学会発表なども積極的に行っています。また,広島県病院薬剤師会の委員をしている先生も多く在籍し,地域の病院薬剤師の先生方と連携して仕事をする機会も多いですね。実際に当部に来てからはどうですか?

里:仕事を覚えることや,医薬品や病態・治療の知識をつけることは大変ですが,周りには博士号を取得した先輩や,大学院に進学,またはそれを考えている人がたくさんいて,大変いい刺激になります。

先輩:そうですね。当部では,社会人大学院生も数名いて,業務と研究を両立している先輩がいますね。ところで,皆さん院内には様々な医療チームがありますが,現在興味がある分野・チームはありますか?

滝沢:私は,がん薬物療法に興味があります。広島大学病院はがん専門薬剤師の研修施設なので,将来はがん専門薬剤師になりたいと思っています。

田中:救急分野に興味があり,当部を選びましたが,いまはNST(栄養サポートチーム)にも興味があります。

古川:私は,薬剤師になったからにはジェネラリストになりたいという思いが強かったので,まだ特定の分野は絞れていません。現在,開催されている勉強会には分野にこだわらず参加して,ジェネラリストとしての力を付けているところです。

先輩:当部には専門性をもったスペシャリストも多く存在し,院内のチームでは多職種と連携して,活躍しています。先輩の姿をみてどういった薬剤師になりたいかを考えていけるのもいいところですね。

業務

先輩:今年度から調剤時に,医薬品のバーコードを使用したチェックシステム(ポリムス)を導入しました。それにより業務に変化はありましたか?

伊達:ポリムスを使うことで薬の取違えが少なくなり,より安全に調剤できるようになったと感じています。一見ひと手間かかっていると思えても,結果的に効率も上がったように思います。

先輩:実際に,インシデント減少にもつながっており,新人薬剤師でも夜勤業務など1人で調剤・鑑査を行う際も安心ですね。みなさんは,夜勤業務や休日日勤業務についてはどうですか?

大本:通常の業務の中で,夜勤や休日日勤ができるような教育体制になっているので安心して業務に入ることができました。不安な点は先輩にすぐ聞いて解消することができました。

古川:休日日勤は経験豊富な先生方と一緒に入るので心配は少ないですが,夜勤はイレギュラーなことが起こらないかまだ少し緊張します。基本業務はマニュアルを読みこんで臨むことで慣れてきたと思います。

先輩:新人職員が休日日勤や夜勤業務に入る際は,先輩がしっかり指導しています。問題が起きたときの対応マニュアルがあり,疑問点はすぐに聞いて解消できる体制があるのは安心ですね。相談しやすい当部の職員の関係性もいいですよね。

教育

先輩:新人教育として,調剤・製剤・病棟・DI・治験など様々な部署をローテーションしてきたと思いますが,1年間まわってみてどうでしたか?

里:非常に良かったと思います。薬剤師としての基本である内服,注射,ミキシングを早期から学べる点,また,多くの先輩との接点が増える点が良かったです。

古川:私は全体像を理解したうえで物事を進めたいタイプなので,ローテーションで各部署の業務を経験させていただいたことで,広大の薬剤部の業務の全体の流れを把握できて,よかったです。

先輩:業務を学ぶためにも,ローテーションはすごく効率的なようですね。また,昨年より始まったメンター・メンティー制度(教育ページ参照)はどうでしたか?

伊達:色々な経験をされている先輩にいつも親身になって話を聞いてもらいました。メンターの先輩と話す中で自分に足りない部分や持つべき視点などを客観的に捉えることができ,次につなげられたと思います。

滝沢:業務の話も,日常の何でもない話も,優しい先輩と話ができるのは楽しいです。

里:非常に良いと思います。新人が悩み事を打ち明けることは勇気のいることですが,それを真摯に受け止めてくれるメンターの存在は大きいです。

先輩:とてもいい関係性を築けているようですね。

休日

先輩:皆さんは,休日はどのように過ごしていますか?

伊達:休日は買い物に出かけたり,家でのんびりしたり,カープ観戦に行ったりして気分転換しています。

古川:私は大学が県外だったので,大学時代の友人に会いに頻繁に他県に出かけています。他県で頑張っている薬剤師の話は刺激になりますし,他職種の友人の話を聞くのも世界が広がって楽しいです。

先輩:オン,オフの切り替えは大事ですね。当部では夏季休暇といってまとまった休みがとれますが,どのように過ごしましたか?

小林:実家が遠方なので実家に帰って,家族や地元の友人と遊びました。

田中:海外に初めて一人で旅行に行って楽しんできました。

古川:5日間の休暇とボーナスを使って,沖縄に一人旅に行ってきました。夢だった離島を巡って文字通りリフレッシュできました。

先輩:休みを使ってしっかりリフレッシュできているようですね。

まとめ

先輩:それでは,就職前と就職後の薬剤師の仕事に対する印象の変化を教えてください。

大本:就職してからは調剤業務だけでなく,病棟業務で医師や看護師と関わったり,TDMを薬剤師が行ったりすることで,積極的に薬物療法に介入している印象を受けました。

田中:薬の薬効薬理について詳しいことはもちろんですが,副作用に関する知識が求められているということを,就職後に強く感じました。

伊達:様々なことに注意を払いつつ,視野を広く持つことが大事だと思いました。また,疑義照会など調剤室にいても薬剤師だけでなく他職種のスタッフとの関わりがあり,コミュニケーション能力が必要とされることを実感しています。

先輩:実際に働いて,先輩薬剤師の姿を見て,とてもいい刺激を受けていると思います。それでは,最後に1年間働いた感想を教えてください。

大本:最初は日々の業務を覚えることに必死でしたが,少しずつできることも増え,仕事に対するやりがいや責任を感じるようになりました。

古川:病院薬剤師としての業務を一通り経験して,右も左もわからなかった卒業直後に比べ,できることが増え,成長できた1年だったと思います。この1年をベースにしてスキルアップしていきたいと思います。

先輩:ローテーションを通して,多くのことを学び,薬剤師として成長した1年になりましたね。教育制度がしっかり整っており,先輩薬剤師から学びやすい環境である当部ならではの経験だと思います。これからも一緒に自己研鑽に励み,患者さん・他職種から信頼される薬剤師となれるように切磋琢磨していきましょう。