① 広島大学病院を就職先として選んだ理由は?
古賀:私は臨床と研究両方の経験を積みたいと考え、当部を選びました。大学病院は研究の環境が整っており、加えて多様な症例を経験することができるため、基礎から臨床まで幅広く成長できると考えました。
上田:地元広島で医療に貢献したいという想いと様々な疾患を持つ方の薬物療法に携わることができることから当院を希望しました。また、その中で興味を持った分野に特化して勉強できる環境もあると感じました。
今子:私は他の病院で2年間薬剤師レジデントを経験し当院に入職しました。レジデント修了後の就職先を探す際、レジデントの経験を活かしたいとの想いと同時に、一人前のジェネラリストになるためにはまだまだ知識・経験が必要であると感じていました。そこで、多くの医療チームに薬剤師が参加しており、地域の医療の中核となっている当院を希望しました。
② 当部の特徴を教えてください。
今子:病棟業務に力を入れていると思います。当部は国立大学病院の中で最も早く全病棟へ薬剤師を配置しており、病床あたりの薬剤管理指導件数やプレアボイド報告は全国でもトップクラスです。また調剤分野でも調剤ロボットの導入がされており、安全に調剤が行われています。
掛田:薬剤師としての業務の幅広さと専門性の高さです。一般病棟だけでなく救急集中治療病棟や手術室においても、薬剤師が医師や看護師へ情報提供を行い、安全かつ適正な薬物療法を提供することに貢献しています。
佐伯:地域の拠点病院として高度救命救急医療や、指定医療病院としてHIV感染症やがんなどの診療を行っています。各チームにはそれぞれに専門性の高い薬剤師が携わり、治療に貢献しています。
③ 院内には様々な医療チームがありますが、現在興味がある分野・チームはありますか?
(緩和ケアチーム、がんチームなど)
藤井:緩和ケアに興味があります。がん患者さんだけではなく、心不全や他の非がん患者さんも対象になってきていること、在宅医療など様々な場面で患者さんと関われる領域だからです。
井上:妊娠中に服用する薬について、自分も同じ立場なら薬剤の副作用について不安を感じるだろうと思い、薬剤師として治療に貢献できることはないか考えるようになりました。患者さんが抱える様々な気持ちに寄り添った服薬指導ができるようになりたいと思っています。
古賀:医療安全に興味があります。過去の事例を集計・分析し、改善策を提案する一連のプロセスに興味があります。患者さんへの安全な医療の提供に貢献することで薬剤師としての自信に繋がると考えます。
④ 取得したいと考えている資格や、やってみたいことはありますか?
田中:感染制御の分野に興味があり、感染制御認定・専門薬剤師を取得したいと思っています。病棟業務を通して薬学的視点から他職種に対して必要な薬剤情報を伝達していきたいと思います。
古賀:精神薬学会認定薬剤師の資格を目指したいと考えています。精神科領域で用いる薬剤は細かな用量調節や、治療継続のための副作用フォローがとても重要だと考えています。精神科領域の患者さんが安心して薬を服用できるよう貢献したいと考えています。
井上: 幅広い知識を持つ実践能力の高いジェネラリストになり、他職種から頼りにされる存在になりたいです。まずは、日病薬病院薬学認定薬剤師の認定取得を目指して日々開催される研修会等に参加しています。
⑤ 学会発表や臨床研究活動、大学院への進学等について考えていますか?
田中:大学時代から大学院への進学を考えており、博士号を取得したいと考えております。臨床研究を行いやすい環境が整っているのは大学病院ならではのものだと思います。
梶本:入職してから様々な学会に参加しました。その中で、研究を通して臨床現場の疑問を追及することの大切さを感じ、学会発表も経験したいと考えるようになりました。
藤井:新人職員は中国・四国支部学術大会に参加する機会があります。発表されている先輩方の姿を見て、いつかは私も学会で発表したいと思っています。
⑥ 新人業務ローテーションを実際にやってみてどうですか?
上田:内服や注射の調剤・監査から始まり、抗がん剤のミキシングやTDM、またDI、病棟、治験と当部の一連の業務に携わることができました。コロナ禍のため、学生実習で習得が難しかった抗がん剤のミキシングに不安がありましたが、先輩方に基礎から丁寧に教えて頂けました。
掛田:それぞれの部門で行われている業務の概要を知ることができ、病院内における薬剤師の役割を知ることができました。TDMやDI業務についても、調剤や病棟業務において学んだことが生かされていると考えます。
佐伯: 1年間を通じてスケジュールが設定されているので、自身の到達度に見合った業務ができ、また成長も実感できます。様々な業務を実践できるのでよかったです。
⑦ 1年目職員に向けた勉強会を開催していますが、1年間受けてみてどうですか?
古賀:この勉強会の一番の利点は、すぐ業務に活かせる内容で構成されている点です。部外の難しい研修会の内容は、業務に活かす機会がないと次第に記憶が薄れていきますが、身近な先輩が指導を担当してくれるため、当部の勉強会はとても実践的だと感じました。
掛田:業務の手順や意義、社会人の心構えといったテーマから各薬剤の特徴まで、新人薬剤師として必要になる項目を一通り先輩薬剤師から指導いただく機会をいただき、大変感謝しています。
佐伯:トレーニング用資材を使用した糖尿病のインスリン指導や喘息の吸入指導など幅広く実践的なことが学べます。また専門薬剤師の先生方が講師をして下さるので今まで疑問に思っていたことなどを質問することができます。
⑧ メンター・メンティー制度はどうですか?気軽に相談できましたか?
山下:普段の業務の不安や悩みを相談できました。特に業務で失敗したことで落ち込んでいた時もメンターの先生からアドバイスと励ましの言葉をもらい、翌日からの業務を頑張ることができました。見守ってくださる先輩の先生がいて下さるということは新人の私にとってとても有難いことでした。
今子:日々の業務のことから、認定や研究などもっと先の将来的なことも話を聞くことができました。もちろん、休日の事など、他愛ない話もたくさんしていましたので、小さな事も気軽に相談できる関係性でした。
藤井:日々の業務での失敗や悩みから、私生活のことまでたくさん話を聞いていただき、楽しみな時間になっていきました。悩みを聞いてくれ、理解してくださる先輩がいてくれると思うと、とても心強かったです。
⑨ 先輩薬剤師の印象はどうですか?
井上:何か困っている時はすぐ声をかけてくださります。先輩方にいつも助けられています。豊富な知識と経験を備えた先輩は目標となる存在です。
掛田:薬剤師としての専門性の高さや知識の幅の広さに憧れます。先輩方に近づけるように自己研鑽をする必要性をより実感することができます。
山下:多方面の分野で素晴らしい活躍をされており、目標として自分も頑張っていきたいと感じています。
⑩ 入職後に病院薬剤師業務について印象の変化はありましたか?
今子:当部は指導件数や副作用報告の件数など、部全体として明確な数値目標を立てて、全員がそれに向かって努力しているという印象が強いと感じました。
田中:治験や手術室などに薬剤師が関わっていることは知りませんでした。また、病棟では一人の薬剤師が多くの患者を受け持っていますが、先輩方が1人1人の患者の状態についても細かく把握されていることに驚きました。
梶本:トレーシングレポートを通じた薬局との情報交換が活発であることから、入職前に想像していたよりも病院が地域と密にかかわりあっている印象を持ちました。
⑪ 夜勤業務や休日日勤業務について。業務に入る前に十分に準備して臨めましたか?
佐伯 :不安ではありましたが、先輩から事前に業務説明をして頂き、十分に準備して臨むことができたと思います。休日日勤前には抗がん剤調製やTDM業務の注意事項等の申し送りを受けることができるので安心して休日日勤業務に入ることができました。
井上 :新人業務ローテーションや新人職員向けの勉強会で、夜勤業務中、よくある問い合わせへの対応を学ぶことができました。また、メンターの先生や他の先輩方にも事前に準備すべきことを教わったので、夜勤をする前に不安を解消できました。
上田 :初めての夜勤業務でイレギュラーな事象が起きましたが、院内で作成されている業務マニュアルを確認することで落ち着いて対応することが出来ました。
⑫ 休日はどのように過ごしていますか?
上田 :学生時代の友達と遊びにいくことが多いです。カープが好きなので、野球観戦に行ったりしています。
田中 : 基本的には家でゆっくりしたり、友達と出かけることが多いですが、先輩方とフットサルをしに行くこともあります。
山下 :休日は趣味に費やしたり、友達とドライブしたり、愛犬と遊んだりして過ごしています。ジムで運動してリフレッシュしています。
⑬ リフレッシュ休暇(年間3日取得可能)はどのように過ごしましたか?
藤井 :家族と長野にある上高地へ行き、自然を体感して、リフレッシュすることができました。久々に家族旅行に行くことができました。
梶本 :県外に住む友達に会いに行きました。友達と予定を合わせて、人混みの少ない平日に連休を取得できたので充実した休暇を過ごすことができました。
上田 :友人とスノーボードや関東旅行など普段はなかなかできないようなことをして楽しく過ごしました。
⑭ 同期とのかかわりについて教えてください。
古賀 :私は中途採用で当部へ入職しましたが、他の1年目職員とは歳が離れてはいますが、みんなとても優しく接してくれています。些細な相談も親身に聞いてくれます。皆で切磋琢磨できたらと思っています。
井上 :団結していると思います。業務中、問題が起きた時には同期みんなで共有し、解決策を一緒に考えることでお互いに向上できる関係ですね。休日には同期と出かけることもあります。
上田 :間違いや対策を共有し、助け合いながら1年間過ごすことができました。今では、1年間働いた中で辛いことも楽しいことも共有した大切な存在です。今後も一緒に成長していきたいと思います。
⑮ 最後に1年間働いた感想を自由に記載してください。
田中 :仕事と環境に慣れることで精一杯でしたが、来年からは目標に向かって邁進したいと思います。
梶本 :薬剤師としてのスキルは上がってきているように感じます。これからも先輩方をお手本としながら積極的に勉強して、未来の医療を担える人材になれるよう頑張ります。
山下 :多くのことを学び、多くのことができるようになった1年でしたが、自分の不足しているところを痛感する1年でもありました。1年間、多くの先輩方に支えていただきました。来年度は、もっと成長できるよう頑張りたいです。