レジデント
はじめに
広島大学病院は、県の医療の中核を担うベッド数742床の病院です。その中で、薬剤部は、「臨床業務」として、調剤、製剤、薬務などの中央業務に加え、病棟や手術室などに薬剤師を常駐させ、幅広い活躍の場を得ています。また、多数の医療チームのメンバーとして活躍し、多くの分野にて専門・認定薬剤師を輩出しております。臨床業務以外にも、大学病院として、「教育」、「研究」にも力を入れており、様々なことにチャレンジできる職場です。
【業務のイメージ】
薬剤師がそれぞれ共通業務と個別業務を担当し、ジェネラリストとしての能力向上を目指しています。
【組織図】
2023年度実績
•院外処方箋発行率:94.23%
•薬剤管理指導料算定件数:3245件/月(病棟薬剤業務実施加算を取得)
•薬物血中濃度測定件数:1123件/月
・化学療法調製件数:1894件/月(外来・入院含む)
●教育体制
「患者さん・他職種から信頼される実践能力の高いジェネラリストを育てる」
薬剤師として、医療者としての品格をもち、かつ患者さん・他職種から信頼される幅広い知識をもった実践能力の高いジェネラリストの育成を目指しています。その後、スペシャリスト・研究者としての経験を積み、全国に情報を発信する薬剤師として活躍することを目指します。
【目的】
大学病院の薬剤師として、幅広く活躍できる人材を育てる
- 薬剤部各部署をローテーションで、調剤、製剤、化学療法、TDM、DI、病棟、治験などの基本業務を習得することができます。また、数多くの処方や症例に触れる中で出てきたクリニカルクエスチョンに対して、臨床研究を行い、学会発表を行います。さらに、服薬指導を行う中で、薬学的プロブレムを立て、エビデンスに基づいた介入を積極的に行い、症例をまとめます。
- メンター制度を導入し、知識・専門性・経験などを共有し、医療人としての成長を支援します。
- がん治療、栄養、緩和ケア、救急など様々な分野で活躍するスペシャリストの薬剤師が在籍し、専門的な知識を学べる体制があります。
【体制】
【レジデント研修】
広島大学病院薬剤部では2024年度より、2年間のレジデント研修制度を導入しています。研修を通じて、幅広い知識と技能並びに医療倫理を学び、医療人としての自覚と責任感を養います。それにより、現代の高度な医療に対応した臨床薬剤業務を実施できる薬剤師を目指します。
【研修スケジュール】
1年目では中央業務と基礎的な対人業務を中心に行い、2年目ではより実践的な対人業務に加え、チーム医療や地域連携に関連した研修を行います。
さらに、部内での勉強会や症例発表などによるスキルアップや臨床研究を実施できるスケジュールを構築しています。
※内容は変更となる場合があります。
【メンター・メンティー制度】
メンター・メンティー制度とは、業務を指導する直属の上司とは別に、相談役となる先輩(メンター)が新入部職員(メンティー)をサポートする制度です。
メンターは、週1回対話型の面談を行い、知識・専門性・経験などを共有し、業務に対するメンティー本人の自発的・自律的な気づきを促し成長へと導きます。また、職場への適応などの精神的サポートに対しても親身に相談に応じ、1年間責任をもってメンティーをサポートします。
先輩(メンター)の声
・私自身がメンティーの困っていることに先回りするのではなく、相手に困っている事を自ら話してもらい、相手の個性を考慮しながら共に解決するように取り組みました。
・アドバイスをする際、「ティーチング」ではなく、どのように「コーチング」するかということを考えることで自身の成長につながりました。また、メンティーの成長を通して、私自身の至らない点や、改善すべき点も発見できました。
新入部職員(メンティー)の声
・1年を通じて、自分の考えを適切に伝え、アドバイスを謙虚に聞き、それを次の自分の行動に生かすという力を身につけることができたと思います。
・自身が経験した失敗の改善方法や病院内のルールをより多く知ることができました。また、先輩薬剤師と自ら積極的に関わっていくきっかけにもなりました。
【新人向け勉強会】
先輩薬剤師が1時間程度、新人の成長に合わせて、実臨床での調剤・監査時のポイントや処方意図の解説を行っています。
また、日常業務で必要となる病院内のルールや社会人としての考え方を教育しています。
参加者の声
・薬剤師として働く上で重要な医薬品の知識・取り扱いに関することの他、医療安全や電話対応のマナーなども学ぶことができる貴重な時間です。
・ただ講義を聞くだけではなく、実際の薬剤に触れたり、問題を解いたりと実戦形式なのがとても良いです。現場ならではの役に立つことを学べてとても参考になります。
・業務中に意識していないかったことを学ぶことで、翌日からの業務に活かしています。
【部内セミナー】
毎週水曜日に部内で実施しています。
論文抄読
業務を行う中で疑問に思ったこと(クリニカルクエスチョン:CQ)について、その解決に導く英語論文を読み、その内容やCQの回答を紹介します。新人職員は、論文抄読前に「論文の読み方について」の講義を受け、2回目の発表までは、先輩薬剤師のサポートがあります。
業務報告
各部署での取り組みや新たに導入した運用などを紹介することで、部署間の連携を強化しています。
チーム報告
感染や災害など、各部内チームにおける取り組みについて報告し、最新の情報発信を行います。
製品紹介
製薬企業を招いて、新規に採用した医薬品を中心に対象疾患の臨床試験データや副作用などを学びます。