教育

新人教育

レジデント・職員を希望される皆様へ

1.はじめに

広島大学病院(以下、当院)は、県の医療の中核を担うベッド数742床の病院です。その中で、薬剤部は、「臨床業務」として、調剤、製剤、薬務などの中央業務に加え、病棟や手術室などに薬剤師を常駐させ、幅広い活躍の場を得ています。また、多数の医療チームのメンバーとして活躍し、多くの分野にて専門・認定薬剤師を輩出しております。臨床業務以外にも、大学病院として、「教育」、「研究」にも力を入れており、様々なことにチャレンジできる職場です。

【業務のイメージ】
当院薬剤部では、薬剤師がそれぞれ共通業務と個別業務を担当するグループ制度を採用しており、一人一人がジェネラリストとしての能力向上を目指しています。

【組織図】

2024年度実績
•院外処方箋発行率:94.6%
•薬剤管理指導料算定件数:3214件/月(病棟薬剤業務実施加算を取得)
•薬物血中濃度測定件数:1046件/月
•化学療法調製件数:1801件/月(外来・入院含む)

2.新人に対する教育

① 教育目標

「患者さん・他職種から信頼される実践能力の高いジェネラリストを育てる」
薬剤師として、医療者としての品格をもち、かつ患者さん・他職種から信頼される幅広い知識をもった実践能力の高いジェネラリストの育成を目指しています。その後、スペシャリスト・研究者としての経験を積み、全国に情報を発信する薬剤師として活躍することを目指します。

② 教育体制

【メンター・メンティー制度】
メンター・メンティー制度を導入し、知識・専門性・経験などを共有し、医療人としての成長を支援します。

メンター・メンティー制度とは、業務を指導する直属の上司とは別に、相談役となる先輩(メンター)が新人(メンティー)をサポートする制度です。
メンターは、週1回対話型の面談を行い、知識・専門性・経験などを共有し、業務に対するメンティー本人の自発的・自律的な気づきを促し成長へと導きます。また、職場への適応などの精神的サポートに対しても親身に相談に応じ、1年間責任をもってメンティーをサポートします。


先輩(メンター)の声
・私自身がメンティーの困っていることに先回りするのではなく、相手に困っている事を自ら話してもらい、相手の個性を考慮しながら共に解決するように取り組みました。
・アドバイスをする際、「ティーチング」ではなく、どのように「コーチング」するかということを考えることで自身の成長につながりました。また、メンティーの成長を通して、私自身の至らない点や、改善すべき点も発見できました。


新人(メンティー)の声
・1年を通じて、自分の考えを適切に伝え、アドバイスを謙虚に聞き、それを次の自分の行動に生かすという力を身につけることができたと思います。
・自身が経験した失敗の改善方法や病院内のルールをより多く知ることができました。また、先輩薬剤師と自ら積極的に関わっていくきっかけにもなりました。

【新人向け勉強会】
先輩薬剤師が1時間程度、新人の成長に合わせて、実臨床での調剤・監査時のポイントや処方意図の解説を行います。
また、日常業務で必要となる病院内のルールや社会人としての考え方を教育します。


参加者の声
・薬剤師として働く上で重要な医薬品の知識・取り扱いに関することの他、医療安全や電話対応のマナーなども学ぶことができる貴重な機会でした。
・ただ講義を聞くだけではなく、実際の薬剤に触れたり、問題を解いたりと実戦形式なのがとても良いです。現場ならではの役立つ知識を学ぶことができ、翌日からの業務に活かしています。

【部内セミナー】
月に1回水曜日に部内で実施しています。

論文抄読
業務を行う中で疑問に思ったこと(クリニカルクエスチョン:CQ)について、その解決に導く英語論文を読み、その内容やCQの回答を紹介します。論文抄読前に「論文の読み方について」の講義を受け、2回目の発表までは、先輩薬剤師のサポートがあります。

業務報告
各部署での取り組みや新たに導入した運用などを紹介することで、部署間の連携を強化しています。

チーム報告
感染や災害など、各部内チームにおける取り組みについて報告し、最新の情報発信を行います。

製品紹介
製薬企業を招いて、新規に採用した医薬品を中心に対象疾患の臨床試験データや副作用などを学びます。

【そのほか】
がん治療、栄養、緩和ケア、救急など様々な分野で活躍するスペシャリストの薬剤師が在籍し、専門的な知識を学べる体制があります。

それぞれの部内業務や医療チームの詳細については、「業務」のページもご参照ください。

3.教育プログラム

① 新入職員教育とレジデント研修制度の各特徴

② 新入職員教育

新入職員はまず調剤室・製剤室に配属されます。一般的な内服調剤、注射調剤から始め、疑義照会や処方鑑査も先輩薬剤師からのアドバイスを受けながら行っていきます。製剤室では高カロリー輸液の調製や抗がん剤の調製を経験します。これらの部署をローテーションしながら、中央供給部門の業務を行います。

7月からは休日業務が開始となります。休日の限られた職員数の中にあっても基本的な調剤や調製業務を適切かつ迅速にこなせるための技能習得を導入までに目指します。
この時期からは、DI室・薬効解析室をローテーションします。DI室では、院内の情報システムや、医薬品情報に関する質疑応答の基本的手順を理解し、実践できるようにします。薬効解析室では、バンコマイシンの初期投与設計ができるようにします。

10月からは当直業務が開始となります。夜間の医薬品供給や、バンコマイシンなどの基本的な投与設計の他、薬剤に関する相談応需や情報提供が適切かつ迅速にこなせるための技能習得を導入までに目指します。
この時期からは、病棟業務(詳細は後述)・治験業務をローテーションします。治験業務では、CRC業務の見学や、治験薬の管理について学びます。

病棟業務では、開始にあたり、先輩薬剤師とペアを組み、患者を受け持ちます。その中で、薬歴管理、薬効・副作用モニタリングを通じた薬物投与計画の立案や処方提案、SOAPの書き方などを実践し、自身でカルテ情報から薬学的プロブレムを立てられるよう基本業務を身につけます。
当院では、複数病棟を複数の薬剤師でグループ担当しています。また、グループメンバーを定期的に入れ替えているため、様々な診療科での薬物治療を経験することができます。

【研修スケジュール】

新入職員のとある1日(例)

新人スタッフインタビューのページもご参照ください。

③ レジデント研修

当院薬剤部では2024年度より、2年間のレジデント研修制度を導入しています。研修を通じて、幅広い知識と技能並びに医療倫理を学び、医療人としての自覚と責任感を養います。それにより、現代の高度な医療に対応した臨床薬剤業務を実施できる薬剤師を目指します。

【研修スケジュール】
1年目では中央業務と基礎的な対人業務を中心に行い、2年目ではより実践的な対人業務に加え、チーム医療や地域連携に関連した研修を行います。
さらに、部内での勉強会や症例発表などによるスキルアップや臨床研究を実施できるスケジュールを構築しています。


※内容は変更となる場合があります。

レジデントのとある1日(例)


・「レジデントって何?」と、疑問に思われる方も多いと思います。私も同じ気持ちを抱きながら広島大学病院に来ました。レジデント研修では、調剤をはじめ、化学療法、TDM、DI、病棟業務など、多様な部署を短期間で回ります。各部署の研修期間は短いものの、幅広い知識を習得でき、充実した日々を過ごしています。現場でしか得られない貴重な経験を短期間で積むことができる環境が、レジデント制度には用意されていると思います。


・私は1期生として就職しましたが、教育チームによるしっかりとしたスケジュールのおかげで、日々豊かに学ぶことができています。2年という短期間で全ての病棟を経験し、早期に病院薬剤師の全体像を見ることができ、とても良い制度だと感じています。病院に就職していながら薬局で在宅の経験ができることもレジデントの強みだと思います。レジデント終了時には、実力のある一人前の薬剤師に成長していることが目標です。