新人スタッフインタビュー(2022)

2021年

広島大学病院薬剤部(以下,当部)では,2021年度に5名の新人を迎えました。就職して1年が経過した彼らにインタビューしてみました。

 

① 広島大学病院を就職先として選んだ理由は?

小平:実務実習を広島大学病院で受け、その中で、教育に熱心な先生方が多い印象を受けました。入職1・2年目の先生方から講義を受けた際には、入社からわずか数年で豊富な知識や経験を積まれていることに驚きました。自らもそうなりたいと実習時から就職したいと思うようになりました。

小別所:当部には治験業務やTDM業務など他院の薬剤部にはない部門も数多くあり、多くの業務経験を積むことができると思ったからです。また、当院は総合病院であり診療科が多いため、数多くの症例も経験することができ、今後の自分の成長につながると考えました。

布施:私は、別の病院で勤務していましたが、県の中核病院としての役割持ち、多くの経験を積めると思い、広島大学病院へ転職してきました。また、現在働いている職員の中には、各種認定資格を所持している方が多く、切磋琢磨していくのに良い環境だと考えました。

② 当部の特徴を教えてください。

渡辺:病棟業務に力を入れていると思います。当部は国立大学病院の中で最も早く全病棟へ薬剤師を配置しており、病床あたりの薬剤管理指導件数やプレアボイド報告は全国でもトップクラスです。

小別所:薬剤師としての業務の幅広さと専門性の高さです。一般病棟だけでなく救急集中治療病棟や手術室においても、薬剤師が医師や看護師へ情報提供を行い、安全かつ適正な薬物療法を提供することに貢献しています。

布施:地域の拠点病院として中毒の患者や、指定医療病院としてHIVやがんなどの診療を行っています。各チームにはそれぞれに専門性の高い薬剤師が携わり、治療に貢献しています。

③ 院内には様々な医療チームがありますが、現在興味がある分野・チームはありますか?
(緩和ケアチーム、がんチームなど)

布施:感染制御チームや、抗菌薬適性使用支援チームに興味があります。以前より感染制御の勉強をしており、よりたくさんの症例に触れて知識を深めることで患者へ貢献していきたいと思っています。

小平:新人業務ローテーションの一つに外来抗がん剤業務があります。患者さんから抗がん剤や副作用の悩みや不安を聞くことが多々あり、薬剤師として治療に貢献できることはないか考えるようになりました。がん患者さんが抱える様々な気持ちに寄り添った服薬指導ができるようになりたいと思っています。

高柴:糖尿病チームと感染制御チームに興味があります。実務実習中に、薬剤師が薬学的な観点から薬剤の切り替えなどを提案されているのを知り、自分も将来チーム医療の中で貢献できるようになりたいと考えました。

④ 取得したいと考えている資格や、やってみたいことはありますか?

小別所:救命認定薬剤師の資格です。広島県で唯一の高度救命救急センターであり、三次救急を担う広島大学病院に就職したからには挑戦してみたい資格です。しかし、求められる専門性の高さや医学知識の幅の広さから取得が難しい資格の一つであるとも感じています。

高柴:病棟業務を通して薬学的観点からチーム医療において他職種に対して提案できるようになりたいと考えています。積極的にコミュニケーションをとりながら自分の知識を増やしていきたいと思います。

渡辺: 1つの分野にこだわるよりも、幅広い知識を持ち、実践能力の高いジェネラリストになりたいという思いが強くなりました。将来的には日本医療薬学会の薬物療法専門薬剤師を取得できたらと考えています。

⑤ 学会発表や臨床研究活動、大学院への進学等について考えていますか?

小別所:当院は大学病院であるという特色上、臨床だけでなく最先端の医療技術の発展への貢献は重要な役割の一つであると思います。今後学会への参加を通して多くの知見に触れたのち、再度大学院への進学については考えたいと思っています。
高柴:入職してから様々な学会に参加しました。その中で、研究を通して臨床現場の疑問を追及することの大切さを感じることができ、私も学会発表に向けて準備していきたいと考えています。
渡辺:若手の時から学会発表を経験する機会があることが当部の強みの1つだと思います。現在、先輩方のサポートを受けながら、薬薬連携に関する研究を始めました。将来的に研究成果を学会で発表するためにも、今は様々な学会に参加し、雰囲気を体感しています。

⑥ 新人ローテーションを実際にやってみてどうですか?

渡辺:内服や注射の調剤・監査から始まり、抗がん剤のミキシングやTDM、またDI、病棟、治験と当部の一通りの業務に携わることができました。特に、1年目から先輩職員と一緒に病棟の患者さんを担当し、病棟業務に関われたことは良かったです。自分が調剤・監査した薬剤が、患者さんのもとへ渡った後、どのような効果や副作用が出ているのか、実際に自分の目で確認することができたのはとても意味のあることだと思っています。

小別所:それぞれの部門で行われている業務の概要を知ることができ、病院内における薬剤師の役割を知ることができました。また、業務の幅が広いため、それぞれの部門について理解していないと医師や看護師からの質問への対応ができないこともあり、日常業務においても新人ローテーションで学んだことが生かされていると感じます。

布施:経験者であることを踏まえて、個別に業務ローテーションを組んでいただきました。今まで経験のなかったTDM業務やDI業務を通じて新たなスキルが身についたと実感しています。

⑦ 1年目職員に向けた勉強会を開催していますが、1年間受けてみてどうですか?

小平:勉強会では主に大学で学んできた知識の復習と実際の医療現場での活用を学びました。勉強会で学んだ疑義照会のポイントを意識しながら調剤や監査をするようにしています。

高柴:入職してすぐ勉強会を開催していただいたおかげで調剤中に出会った処方に対して自信をもって疑義照会することができました。まだまだ分からないこともたくさんあるのでこれからは自分で調べて知識を増やしていかなければいけないと思います。

渡辺:始めは分からないことだらけで、何から手をつければよいのか非常に苦労したので、勉強の優先順位をつけてもらったような気がします。勉強会では、実際の処方箋をもとに薬剤の用法・用量はじめ、臨床現場で使える知識など幅広く教えて頂きました。中でも、心房細動とDOACに関する講義が印象に残っており、心疾患に興味を持つきっかけとなりました。

⑧ メンター制度を受けてみてどうですか?気軽に相談できましたか?

小平:普段の業務の不安や悩みを相談できました。特に業務で失敗したことで落ち込んでいた時もメンターの先生からアドバイスと励ましの言葉をもらい、翌日からの業務を頑張ることができました。見守ってくださる先輩の先生がいて下さるということは新人の私にとってとても有難いことでした。

高柴:私のメンターの先生が病棟担当だったこともあり、私たちが調剤した薬が患者さんに投与された後、どんなふうに効果があらわれているのか聞くことができました。それから処方箋をみて、どんな背景の患者さんかイメージすることが少しできるようになりました。時にはプライベートの話もして、今ではいろいろ相談できるいい先輩です。

布施:中途入職したため、同じ経験を持つ、年齢の近い先生に相談できる環境はありがたかったです。業務での困ったことから日常の話までできて、楽しく仕事をすることができました。

⑨ 先輩薬剤師の印象はどうですか?

小平:何か困っている時はすぐ声をかけてくださる印象です。目標となる存在であると感じています。

小別所:薬剤師としての専門性の高さや知識の幅の広さに憧れます。日々の勉強会や数多くの症例を経験してきたからこその知見の広さに触れることができるため、自分自身の勉強にもなりますし、今後の自分の目標となる存在でもあります。

布施:多方面の分野で素晴らしい活躍をされており、目指す目標として自分も頑張っていきたいと感じました。

⑩ 入職後に病院薬剤師業務について印象の変化はありましたか?

小別所:入職前の印象に比べ、日常業務の多さには驚きました。私は、当部で学生実習を経験しましたが、その際に見ていたよりも多くの業務を実際にはこなさないといけないと感じました。

高柴:病棟で主に働いている薬剤師は1人当たり約30~40人と多くの患者さんを担当しているのですが、担当患者さん全員の薬の評価を的確にされています。実際に病棟業務を経験してみると、より一層業務の大変さを感じ、先輩薬剤師への憧れは強くなりました。

渡辺:チーム医療における薬剤師の貢献度が高いと感じました。実際、他の医療従事者も薬剤師を「薬の専門家」として見ており、特定の診療科のことだけでなく、幅広い知識を持ち、様々な疾患に対して適切に対応できる力が求められていると思いました。


⑪ 夜勤業務や休日日勤業務について。業務に入る前に十分に準備して臨めましたか?

小平 :先輩の先生方から事前に業務説明の講義をして頂き、不安ではありましたが、十分に準備して臨むことができたと思います。初めての休日日勤業務後、疑問点はなかったか先輩が確認してくださり、次の機会では反省を生かして業務を行うことができました。

小別所 :新人業務ローテーションや新人職員向けの勉強会で、夜勤業務中、よくある問い合わせへの対応を学ぶことができました。また、メンターの先生や他の先輩方にも事前に準備すべきことを教わったので、夜勤をする前に不安を解消できたかなと思います。また、イレギュラーな事象が起きた時の対応マニュアルもしっかりと決まっているため、初回の業務でも問題なく業務が行えました。

布施 :不安は大きかったですが、事前に丁寧に業務内容を教えてくださったり、周囲の先生方から励ましの言葉を頂いたりと安心して臨むことができました。

⑫ 休日はどのように過ごしていますか?

小別所 :基本的には家でゆっくりしていることが多いですが、学生時代の友達と遊びにいくことも多いです。また、余力があるときは大学時代にやっていたバドミントンの部活に参加することもあります

渡辺 :コロナ禍ということもあり、基本的には家でのんびりしたり、近所を散歩したりしています。また、時には大学時代の友人とオンラインで話したりしています。他施設で頑張っている仲間の話は刺激になり、もっと自分も頑張らなくてはと思わせてくれます。

小平 :勉強会などがある時もありますが、仕事とプライベートの時間をきっちり分け、趣味のランニングをするなどリフレッシュできる時間を作るよう心がけています。家族と会話する時間も息抜きになります。

⑬ リフレッシュ休暇はどのように過ごしましたか?

小別所 :どこかに旅行に行きたいと考えています。コロナ禍で海外や人の多いところに行くことは難しそうなので、キャンプなどに行ってみたいです。

渡辺 :地元に帰って、家族や友人に会いたいと考えていますが、コロナの状況次第ですね。

高柴 :コロナなので旅行に行ったりはできなかったのですが、地元に帰って実家の犬と戯れたり、友人とただただドライブして1日満喫したりもしました。

⑭ 同期とのかかわりについて教えてください。

布施 :私は中途採用で当部へ入職したため、他の1年目職員とは歳が離れてはいますが、みんなとても優しく接してくれています。また、業務内容の不安な点を共有したりしています。

渡辺 :人数が少ないのでとても団結していると思います。業務中、問題が起きた時には同期みんなで共有し、解決策を一緒に考えることでお互いに向上できる関係ですね。また私だけ県外出身ということもあり、広島のことをいろいろと教えてもらっています(笑)

高柴 :同期5名と少数ですが、業務中にミスしたことを、お互いに積極的に話し合っています。間違いや対策を共有し、次の業務に活かすことができたと感じています。今では、1年間働いた中で辛いことも楽しいことも共有した大切な存在です。

⑮ 最後に1年間働いた感想を自由に記載してください。

布施 :仕事と環境に慣れることで精一杯でしたが、来年からは目標に向かって邁進したいと思います。

高柴 :この1年間で学んだこともたくさんありますが、たくさんのことを学んだ分、新たに疑問に思うこともあったので、自分で調べて解決していかなければいけないと考えています。2年目はもっと成長できるよう努力していきます。

小平 :多くのことを学び、多くのことができるようになった1年でしたが、自分の不足しているところを痛感する1年でもありました。1年間、多くの先輩方に支えていただきました。来年度は、自分自身が新人を支えていける存在になれるよう頑張りたいと思います。