がん化学療法は,その多くがいくつかの抗がん剤を組み合わせて治療を行われます。進歩の目覚ましいがん化学療法が,安全かつ適切に行われるように,多職種で構成されるがん化学療法員会があります。薬剤師もその一員として,エビデンスに基づいたがん化学療法のプロトコール審査・管理など,重要な役割を担っています。
◎処方監査
治療前日,化学療法のプロトコールに基づいてオーダーされた処方内容の監査を行います。抗癌剤の投与量,休薬期間,前投薬,禁忌薬剤など疑わしい点は疑義紹介を行います。薬剤師による監査により抗癌剤やその他医薬品の適正使用に貢献しています。場合によって薬剤師が医師に代わって処方オーダーを入力・修正します。
◎抗癌剤調製

抗がん剤調製
入院で行われる化学療法は製剤室,外来は化学療法室にて抗癌剤の調製を行っています。共にクラスⅡB安全キャビネット内で無菌化した器具を用い無菌環境下で調製を行います。調製時は被曝を考慮しキャップ,ゴーグル,マスク,手袋(2重),ガウンを着用します。調製の際も2人以上の薬剤師でチェックをすることで安全かつ正確に調製を行うことが出来ます。
◎患者さんへの説明

患者用椅子
外来患者さんが抗癌剤の点滴治療を受ける化学療法室では薬剤師が3人常駐しており,使用する抗癌剤(内服・点滴)の効果や副作用,用法用量や服用時の注意点などについて説明を行っています。
抗癌剤を使用する多くの患者さんが副作用を経験されます。いつもと同じような生活を送ることができる外来での抗がん剤治療のメリットを生かすため,治療に対する不安を最大限軽減できるよう,医師や看護師と頻回にミーティングを行い,チームの一員として患者さんに関わりを持つことによってQOLの向上に貢献できるよう努めています。