感染制御―みんなを感染症から守るために―
ICT(感染制御チーム)は、院内で起こるさまざまな感染症から患者さんや職員の安全を守るために活動を行う組織で、医師(Infection Control Doctor :ICD)、感染管理認定看護師、薬剤師、臨床検査技師から構成されています。その中で、薬剤師は、適切な抗菌薬の使用、感染管理、感染経路の対策などへ介入しています。
1)適切な抗菌薬の使用
一部の抗菌薬について、届出制・許可制を取り入れたり、定期的に使用量を把握して、無駄に投与されていないかなど、適切に抗菌薬が使用されているか、チェックしています。また、耐性菌の出現頻度やその菌に対する抗菌薬の効き具合を半年に一度チェックし、どの抗菌薬を使用すればよいかなどの情報提供を行っています。
病棟においても、アレルギー・副作用歴などからみた安全性の高い抗菌薬の選択、感染部位に対する抗菌薬の臓器移行性、腎機能および肝機能異常時の投与方法などを薬剤師が提言しています。
2)感染管理、感染経路の対策
ICTは週2回院内をラウンドしています。そこでは、職員の手洗い・消毒がきちんと行われているか、消毒薬を用途に合わせて適切に使用できているか、感染経路別の対策ができているかなどをチェックします。
また、新規職員や実習生を対象に手洗い、手指消毒や消毒薬の使用についての指導・教育を行っています。
薬剤師は、感染症の予防・治療に関する知識・技術を学び、日本病院薬剤師会感染制御専門薬剤師・感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師の資格を取得し、他職種と関わりながら、感染制御に貢献しています。