収集・管理・提供
医薬品には、使用法、効果発現の時期、副作用の種類とその程度等、様々な情報が存在し、有効かつ安全に使用するにはこのような情報の活用が欠かせません。こういった情報を必要に応じて医療従事者や患者さんに届けるため、各種の情報を収集、管理しています。
添付文書、インタビューフォームといった医薬品販売企業から提供される資料を収集・保管しているほか、販売企業や国内外の規制当局等から発表される情報について、当院採用薬を中心に収集し、必要に応じ各部門と連携しつつ、適宜院内に発信するなどの対応をとっています。また、診療現場で生じた医薬品に関する疑問について、これらの資料や書籍、データベース等の情報源を駆使して、解決策が提供できるよう取り組んでいます。
年間100種類近く発売される新薬の大部分についても、取り扱う場合に必要な対処や注意点について速やかに把握するよう努め、また新医薬品採用にあたっては、調査資料を作成し、検討委員会に提示しています。
その他、院内で発生した医薬品関連の健康被害事例等の把握と当局への報告の取りまとめ、医薬品の取扱い上の安全確保のための対策等を検討する委員会の事務局機能なども担っています。
未承認新規医薬品等の審査
一般に、日本で使用される医薬品/医療機器は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査を経て厚生労働省によって承認され、添付文書の記載内容などに基づいて使用されます。
一方、臨床現場では国内で承認されていない医薬品/医療機器の使用、承認内容とは異なる疾患への使用や、異なる用法・用量で投与しなければならない状況が発生する場合があります。
その際には有効性および安全性の十分なエビデンスがあることを確認し、患者への十分な説明と、使用前に患者の同意を得て使用することが必要となります。
これらの情報を収集し、院内で使用される未承認新規医薬品等の有効性および安全性の評価と使用状況の把握を行っています。
以下の医薬品/医療機器を対象としています。
・未承認:海外では有効性が証明され承認・販売されているが、日本では承認・販売されていないもの
・適応外:日本で承認・販売されているが、添付文書の記載内容と異なる使用(効能・効果、用法・用量を逸脱した使用)
・禁忌:日本で承認・販売されているが、添付文書上禁忌に該当する使用(病態上の禁忌、使用薬剤との併用禁忌)
・院内製剤:患者の個々の病態やニーズに対応するために、または経済性あるいは安定性の面から市販されていないなどの理由により、薬剤師が院内で独自に調製している薬剤